★国内研修旅行で、4年に1回は必ず「木曽三川」「関ヶ原の戦い」の岐阜県を訪ね、さらに4年に
1回は必ず「南洲翁遺訓」の庄内山形県を訪ねて、薩摩の祖先が故郷を離れて、如何に苦労され、
如何に現地の方々に感謝されたかを訪ね、併せて、その地の産業・歴史・文化・観光を学び、楽しみ、
必ず感想文を提出し、OB会会報(年に2回発行)に発表する。

★木曽三川同様、静岡を研修旅行したS.K.君(早稲田大学人間科学)は「家康は静岡に駿府城を築
城したが度重なる安倍川氾濫に困り薩摩藩の技術者に堤防工事を行わせ、その修復工事で氾濫が治
まり、今でも『薩摩土手』と地元で感謝されている。」と記している。

★浜松への研修旅行の自由行動では、4~5人のグループに分かれ、4年生が下級生を連れて普段
アルバイトで貯めた小遣を叩いて、本場名物の鰻重をご馳走してくれて、普段はおっかない上級生
に対して下級生の親近感が一気に高まったと、1年生の感想文にある。

★Y.F.(東京農工大学電気電子科)は、静岡市文化財資料館を訪れ、関ケ原合戦で、島津軍が家康の
旗本松平・井伊・本多三隊を強行突破して家康の直前で転進した「島津の退き口(捨てがまり)」や、
その後、家康が島津家の本領安堵した様子を詳しく報告した。

★R.K.(中央大学理工学部)は、同じ全国学生寮協議会の岐阜県寮の歴史講師に、かつての治水工事
現場の洗堰公園で、江戸時代に薩摩藩が行った治水工事の苦悩や工夫について詳細説明を聞き、今
も「薩摩様」として尊敬され、毎年多くの方々が参列する治水祭礼の様子を報告した。

古典芸能鑑賞会(毎年全員が歌舞伎・能・狂言・文楽などを鑑賞/全額奨学会が補助)

★Y.N.(明治大学農学部)は、通し狂言「小春穏沖津白波―子狐礼三」を鑑賞して、将軍家
への献上品を紛失した大名家の裏で活躍する日本駄右衛門など三人の盗賊の話を楽しんだ
上で、通し狂言や歌舞伎などへの一層の関心を深めたと興味津々に報告した。

★T.F.(中央大学法学部)は「南総里見八犬伝」で名刀「村雨」を盗んだ者は全員亡くなり、
嫌疑を受けても主君のために懸命に奮闘した者が報われるのを冷めた目で観て、昔も今も、
正義は報われ悪は懲らしめられるのだと感じ入ると同時に、当時の価値判断基準が明確であっ
たのに、現代社会では価値判断基準が多様化して、ある人にとっては正義でも別の人にとっ
てはそうではない。だからこそ逆に、現代の我々は一層古典に学ぶことが大切なのではないかと問う。

 

海外留学支援制度
(DESK:D:同学舎の、E:英語で、S:詮議する/江戸時代の薩摩の徹底討論議論方式、K:研修会)

★平成27年秋の同学舎創立110周年を記念して、舎生3名が海外に留学していたことも
あり、一層の留学支援の為に留学期間中の寮生活家財を預かる留学生部屋を創設した。